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  • 絵画

    2015年8月10日

    絵画部講習会予習帳

    先日行われた第62回絵画部講習会で参加者の方がお持ちだった「予習帳」をご紹介します。
    22年前、平成5年に行われた講習会の際に、事前の案内資料に同封されていたというもので、作成者は講師をされていた桐野江節雄先生(※)。
    油絵を描く上での基本的な事柄から、道具、技術について自筆のカットも交え、入門書きとして、厳しい口調ながら温かく、非常に丁寧に解説されています。文章の端々から桐野江先生の制作論も垣間見ることができます。
    これを保管されていた方は、「私には勉強になるのでずっとシステム手帳に縮小して貼って折々に読んだりして大切にしていた」そうで、今回、長い時間を経てこうして私たちが読めることには深い感慨を覚えます。
    「一回一回生まれてはじめて描くつもりでよく見、工夫して下さい」という文言は、閉講式での寺坂公雄理事長の「乾き切らない絵の具をドロドロにしながら、ものを見て、捉えようと、色をひたすらに重ねては消すことで画面を何とかして作ろうとする。そこで生まれる具象絵画の魅力」という言葉と共に心に残りました。

    ※編集者注/桐野江節雄 (きりのえ さだお 1925年-1999年。大阪府生まれ。赤松麟作、藤本東一良に師事、東京美術学校卒。33歳のときに日本初の自作オート三輪のキャンピングカーで世界一周の写生旅行を決行。優美な人物画を得意とした。日展特選、光風会展文部科学大臣賞。1987年 日展審査員。光風会評議員。)

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