第65回絵画部 風景講習会
町田博文、遠藤原三、清水 優、西房浩二、福田あさ子、米澤玲子
第65回光風会絵画部風景講習会を5月18日(金)から千葉県銚子市の犬吠埼で行いました。参加者93名、講師7名で盛況かつ充実した4日間でした。
初日の開講式では藤森兼明副理事長が挨拶を述べられ、その後講師紹介、オリエンテーションがありました。
2日目には寺坂公雄理事長がお見えになり、翌日と二日間に渡り講師陣に交じってご指導いただきました。講師の親切丁寧かつ鋭い指導に応え、受講者の皆が肌寒い中頑張って制作しました。この日の夕食後には、恒例の講師の作品が当たる抽選会があり、寺坂理事長、藤森副理事長、千葉の髙橋規矩治郎・渡辺晋両名誉会員からも作品が特別提供され、大いに盛り上がりました。
3日目は前日に引き続き、午前午後と写生の指導がありました。夕食後の講評会では、未完ながら個性的で迫力のある作品に講師一同目を見張り、高いレベルの指導が行われ、受講者も大いに満足していました。
最終日の閉講式では、各講師による総評が行われ、受講者を代表して青森県から参加の太田健一さんより謝辞が述べられました。さらに次回の文化服装学院の人物講習会についての案内があり、盛会のうちに幕が下ろされました。最後に、多くの方々のご協力をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。
(主任/竹久秀樹)
【受講者の言葉】
●「地球が丸く見えるところ」
千葉県犬吠埼。水平線が弧を描いている。愛媛県から10時間かけて風景講習会に参加した私にとって、驚きの景色が広がっている。黒潮の荒波と岩に砕け散る白いしぶきに、心を奪われた。
2日目は生憎の雨と強風で、宿舎内で描く参加者も多かった。旅館側のご厚意と、千葉の皆様が前もって養生を施してくださっていたお蔭で可能になったことだった。雨の中で描いた方もいて賞賛されていた。
3日目は晴天。オーシャンビューの宿舎の窓から日の出を眺めた。素晴らしい光景に向かって同室の方と一緒に思わず手を合わせた。〝自然が先生〟と言われたように、時間を忘れて自然と向き合った。広い写生場所を講師の先生方が隈なく回ってご指導をしてくださった。描きながらの直接のご指導はとても分かりやすく、次に生かしたいと思った。写生中に地元の人たちの温かさに触れたことも思い出の一つとなった。
風景講習会の最大のごほうびは、先生方直筆の作品がドキドキのくじ引きでいただけること。昼間の疲れを忘れて楽しいひとときだった。
締めくくりの合評会では厳しく優しくご講評をいただき、講習会の仕上げをした。自分が回れなかったビューポイントも、他の方の作品を見て銚子を回ったような楽しさを感じた。
光風会千葉の皆様の入念な準備とお心尽くしのおもてなしに、心より感謝を申し上げます。
(受講者/北條喜美子)
●「犬吠講習会に参加して」
宿の窓から眺めた犬吠の海は、どんよりと曇り、波も立たない内海のような穏やかな様相を呈していたが、翌日は予報通り雨になった。
意を決して濡れながら描き出した。1枚目が仕上がる頃には、すっかりずぶ濡れになり、2枚目は断念して早めに宿に引きあげた。
夜はお楽しみ会。小生の引き当てた籤には下線が施されていたので、1等の先生方の絵が当たるかもしれないと密かに胸を膨らませていたが、3等だった。色々楽しいものが入った袋の中に、筆洗が入っていたのが嬉しかった。
スケッチ2日目。前日とは打って変わって抜けるような青空。しかし風が強く、犬吠の岩に打ちつける波は白一色。午前中外川港に行き、岸壁に置かれていた漁具に持参したビニールの紐でイーゼルを固定して2作目を描いた。陰影が変わってしまうので短時間が勝負。先生方も見えてご指導を頂いた。
午後は灯台と岩礁群が一望できる高台に移動し、1時間半ほどで10号を仕上げた。
夜の合評会では、ユーモア溢れる優しい先生方のご指導を頂いた。周到な準備の下に私たちを迎えてくださった千葉の方々には、心から敬意を表し感謝を申し上げたい。
「雨の中、絵に向かう皆様方の熱い姿勢に深い感銘を受けた」と、出発前に足を骨折し車椅子での参加となった同行のワイフが言っていた。皆様に親切にして頂き、楽しく充実した講習会でした。ありがとうございました。
(受講者/鈴木貞輝)