光風会について

一般社団法人光風会理事長 挨拶

日本藝術院会員
公益社団法人日展顧問
一般社団法人光風会理事長

藤森兼明fujimori kaneaki

2020年は日本にとって本来ならば華々しい年でしたが、年初からのコロナ禍は一向に鎮火の兆しが見えず、文化活動は従来に比べ、ほぼ停止状態となり正常に戻るのにどれくらいの時間がかかるのか予測すらたちません。

しかし、公募展が軒並み中止の状況であっても、私達の創作意欲は停滞しているわけではありません。

光風会も近く110周年を迎えます。どのような形にしろ創立当時の精神を柱に各時代の変化を取込みつつ、具象を基本とし、柔軟に感性の起伏を表現しなければなりません。そしてこの道は世代交代の流れの中であっても保持していかねばと確信します。

良質な競い合いや刺激の交流を通して、画壇の花々が咲き誇り豊かな花壇の広がりに大きく貢献すべく行動を続けて参ります。

2020年8月19日

一般社団法人光風会 概要

先達に感謝し、その情熱と志しの高さを活力にして

沿革

光風会は、1912 (明治45) 年に、洋画団体・白馬会に属した中澤弘光、三宅克己、山本森之助、小林鐘吉、岡野栄、跡見泰ら6人の画家と図案家・杉浦非水によって結成されました。 設立趣意書にあるように、特別な主張や抱負という看板を持たず、隠れた無名の花を自由に紹介することを目的として創立された光風会は、後進の育成、和を尊ぶ精神、謙虚に作品と向き合う姿勢を志として発展を続けてきました。

今日にわたる時代の変化の中で、穏健と品位を重んじながら、多彩な具象表現を探求し続け、数多くの優れた作家を輩出し、近代日本美術の展開に大きな足跡を残しています。

1956(昭和31)年には公募団体で初めて社団法人として認可されました。現在は、毎年4月に、国立新美術館において、絵画と工芸の2部門による公募展を開催し、会員・会友と一般公募から選出された約800点の作品を展示し、所属作家の研鑽(けんさん)の場、また後進にとっての登竜門として、その役割を果たし続けています。

組織概要

一般社団法人光風会は、美術・工芸に関する研究を行い、芸術文化の向上発展と普及とに寄与することを目的とした研究団体です。主たる事業として、内部講師が会員を指導し制作の研究を行う講習会・研究会や、成果発表の場としての公募展「光風会展」の開催運営、機関紙「光風だより」の刊行(年に2回)を行っています。日本各地に、600人を超す会員・会友が在籍し、それぞれが運営に携わり、協働しながら、画家・工芸家として研鑽を重ねています。

光風会展について

光風会展とは、光風会が主催となり、明治45年(1912)に第1回展を上野竹之台陳列館で開催し、以降今日まで光風会が開催している公募展です。現在は年に一度4月に、六本木の国立新美術館で、会員・会友を含む700人あまりの応募から選出された作品を展示しています。令和6年(2024)には、通算110回目の開催を迎え、数ある洋画の公募展の中でも特に長い歴史を有します。会員・会友にとっては活動基盤となる発表の場として、一般応募者として挑戦する後進たちにとっては、登竜門としての役割を果たし続けています。

講習会・研究会について

絵画部では、先達として美術界で活躍する光風会理事が講師となり、風景写生や人物画を学ぶ講習会を隔年で開催しています。風景写生を学ぶ風景講習会は、広島県宮島や千葉県犬吠埼など、日本各地の景勝地に赴きます。人物デッサンを学ぶ人物講習会では、都内会場で裸婦とコスチュームのモデルを使った作品を制作します。

工芸部では、年に2回、春季と夏季に分かれて講習会を開催しています。春季は都内会場で、夏季は関東近郊の会場で講師に持参した下絵や作品に対して個別に指導を受けます。
本部事務局が開催する講習会のほかに、各地域の連絡所が主催となり、研究会を開催しています。

光風だよりについて

会員・会友の作品に対する光風会理事の講評や座談会、インタヴュー記事などを掲載する会報誌を年に2回刊行しています。

(最終更新日)令和6年2月28日