光風会各支部(地区)史

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●執筆内容は2013年4月現在のものです

島根支部の歴史

中村研一画伯指導洋画講習会

[資料1]

1954年(昭和29年)/出雲市

中村研一画伯指導洋画講習会

島根光風会展会場風景

[資料2]

2011年(平成23年)/県立美術館

島根光風会展会場風景

島根光風会展会場風景

島根光風会が名乗りをあげたのは1965年(昭和40年)であった。しかし、そこに至るまでには次のような経緯がある。

昭和21年の秋に当時出雲市に疎開中の柳瀬俊雄氏が出雲市公会堂で「戦災地東京を描く」と題して英語と日本語のポスターを町に貼り出し、額装もしないまま絵を展示した。そして、それを鑑賞に訪れた地元教諭たちと、芸術と絵について語り合ったというのが第一歩になったと言われている。

翌昭和22年に出雲市において、出雲美術協会が結成され展覧会ももたれるようになったが、それを機会に油絵の研究グループが生まれることとなった。そしてこのメンバーの中から光風会への出品者が出た。それ以来、光風会展の出品者が次第に増加し、松江、出雲を中心にお互いに連携を保ちながら研究精進し、日展への出品者も多くなっていった。

この間、次第に中央画壇との連携も密度を加え、研修会、講習会等の開催も続き、辻 永、中村研一、島野重之、田村一男、新道 繁、緒方亮平、笹鹿 彪、柳瀬俊雄の諸先生が来県してくださり、先生方の指導を受けながらの活動で次第に成長ができたと当時のことを思い出している。また、東京での光風会主催の研究会があって、これにも参加した。一同夜行列車で上京した。それぞれの者が100号の作品2点か3点ずつ木枠から外し、棒に巻いて携え都内の研究会場に向かったのである。絵の巻き棒は長いのでタクシーには乗れず、電車やバスを乗り継いで、途中で歩行の時はズッシリと重い巻き棒を一人ひとりが肩にかついで歩いたので異様な光景であった。今は運送屋が取りに来てくれるが、当時のことを思えばその頃は地方から東京に大作を出品することは大変な労作業であった。

昭和40年はちょうど光風会が第50周年記念展をもつ年にあたったので、これを機会にいささか自祝の意味を含め、「第1回島根光風会展」を開催した。会場は島根県立博物館とし、「光風」の上に「島根」をつけて展覧会名とした。会員以外の作品の陳列もその時は行った。

昭和41年、42年は引き続き第2回展、第3回展を開催。

昭和43年は第4回展開催。この年に島根光風会規約を制定し、名称、目的、組織、役員、事業等を規定した。この際の会員は次のとおりである。

池田 功、石橋 博、板持忠夫、伊藤 孟、上野善一、牛尾 伝、大森栄八郎、白潟吉尭、関 宏、須藤洐郎、田中 晋、田平耕一、冨岡忠夫、鳥屋尾孝吉、長沢恒寛、中島功二、福間貴士、堀江秀雄、矢田清四郎、湯浅栄一、若林俊彦、荒木文夫、桜井策馬、(計23名)(現会員/伊藤 孟、田平耕一、冨岡忠夫)
この年から光風会島根連絡所が本部より認可された。

その後の経過は次のとおりである。

昭和44年第5回展開催(県立博物館)/門脇博光入会

昭和45年は都合により展覧会中止。

昭和46年第6回展、昭和47年第7回展、昭和48年第8回展、昭和49年第9回展、共に県立博物館に於いて開催。

昭和50年第10回記念展開催(県立博物館大展示室)
辻 永、中村研一、島野重之、田村一男、笹鹿 彪、柳瀬俊雄の各先生の作品を特陳。

昭和51年第11回展、昭和52年第12回展、昭和53年第13回展、昭和54年第14回展、昭和55年第15回展、共に県立博物館に於いて開催。

昭和56年第16回展開催(県立博物館)
この年から年2回(それ以上の年も)中央画壇の先生のご指導による研修会に、鳥取県からの出席者(5〜10名)が、そして、平成11年から熊本県からの出席者(1名)があり、現在も続いている。ご指導をしてくださった先生は、田村一男、村岡平蔵、寺島龍一、庄司栄吉、寺坂公雄、西田 亨、篠崎輝夫、佐川忠金、金山桂子、石川 實、杉山吉伸、長谷川仂、渡辺 晋、福島隆壽、西山松生、根岸秀雄、守長雄喜、西房浩二、石田宗之、西田伸一、の諸先生。

昭和57年第17回開催(県立博物館)/岩田憲幸入会

昭和58年第18回展、昭和59年第19回展、昭和60年第20回展、共に県立博物館に於いて開催。

昭和61年第21回展開催(県立博物館)/菅井隆吉入会

昭和62年第22回展開催、昭和63年第23回展開催、平成元年第24回展開催、平成2年第25回展開催、平成3年第26回展開催、平成4年第27回展、共に県立博物館に於いて開催。

平成5年第28回展開催(県立博物館)/龍澤光恵入会(のち工芸も、会友)

平成6年第29回展開催、平成7年第30回展、共に県民会館に於いて開催。

平成8年第31回展開催(県民会館)
鳥取県からの研修会出席者がこの年から島根光風会展に出品。5年毎に出品することとした。平成24年には熊本県からの出品者も。

平成9年第32回展開催(県民会館)

平成10年第33回展開催(県民会館)/飯塚康弘入会

平成11年第34回展開催(県民会館)/宮中千秋、和田栄一郎入会

平成12年第35回展開催(県民会館)

平成13年第36回展開催(県立美術館)/佐藤久子、太田由美子入会

平成14年第37回展開催、平成15年第38回展開催、平成16年第39回展開催、平成17年第40回展、共に県立美術館に於いて開催。

平成18年第41回展開催(県立美術館)/柿田周直入会

平成19年第42回展開催(県立美術館)/笹井志津子入会

平成20年第43回展開催(県立美術館)

平成21年第44回展開催(県立美術館)/仲田洋平入会

平成22年第45回展開催(県立美術館)

平成23年第46回展開催(県立美術館)

現在に至る

(執筆者/門脇博光)